午前中、何気なく見つけた「まねき猫」あまりのかわいらしさに思わず買ってしまった。店員曰く「右手を挙げているのが金運、左手を挙げているのが商売繁盛ですよ。」
「じゃあ両方くれ」というわけで、二匹が今日から我が家の住人となる。
ラッキーキャットは海外でも売られているのを見かけたことがあるが、招き猫を縁起物として買ったわけではない。目が子供のような目でかわいかったから、連れてきたかっただけである。
ここのところ、「ちいさいもの」や「かわいいもの」が好ましく思えるようになってきた。若い頃には関心もなかったのだが、幼子がかわいらしくて仕方ない。どこか孫ができてもいいなという気になってくるのが不思議である。
残念ながら、子供たちは結婚もしてないからまだ先のことではある。
『どこに置こうか?』と玄関先などを見渡してみるが、我が家の玄関にはなぜか似合う気がしない。『寝室にしようか?』
「ああた、そんなの置かないで! わたし猫大嫌いなんだから」 おおそうだ、鬼嫁は自分と同類は嫌いなのであった。いかん。いかん。
ということで、私の書斎、とは名ばかりの納戸のような書庫で生活することが決定したのだ。 ところで 「縁起物コレクター」なる人たちがけっこう多く存在しているらしい。友人のT君は「ふくろう」が大好きだ。
とにかく日本全国を旅して「ふくろう」を収集していると聞いたことがある。「ふく」は「福」に通ずるというわけだ。何だ。ただの語呂かと軽んじてはいけない。この手の縁起がアジア人には大好きなのだから
関西であれだけ「ふぐ」を食うのも「河豚」というよりは「ふく」「福」の縁起に惹かれるところが多いにあるのではないかと思う。 中国のみなさんも多いに縁起かつぎを楽しんでいる。
クッキーの中におみくじが入っていたり、風水の類や「易」に至っては陰陽の科学と言ってもよいくらいである。私は興味さえ持てなかったが、祖父は何かあるとすぐ易で決める癖があったのを思いだす。
そして、その卦はけっこう当たっていることが多かったので、父も母も口をはさむことはなかった。妻をはじめに紹介したときも八卦で決めると言い出したのには、いささか閉口したが・・・「まあ、良いじゃろう。」にはホッとしたのを覚えている。
妻との相性の卦については詳しく聞く機会を永久に逃してしまったが・・・
そういえば何年か前に、ドイツ系アメリカ人の取引先の方がおもしろい話をしていた。
中国の易を大学で学んだというのだ。本当かどうか知らないが、現在でもその授業があるということらしい。「それではドイツでは占星術の講義があるのか?」と聞いたら
それはないと言う。それは変ではないかというと、彼が答えるには占星術より易の方があたるといっていた。しかもいつも筮竹をもっているといって見せてくれたのは驚きだった。中国人だってここまでするかなとは思うが・・・
中国人は言わずと知れた「竜信仰」がある。中国の柱は近代的なものでも、すべて竜がはっていたりするからね。
こうした縁起を非科学的と断じることは慎もうと私は思っている。こうしたものを愛する気持ちはDNAに刻まれているのだから、あえて否定してもやむないことですよね。みなさんはどうですか?
我が家の招き猫は、私の書斎が気にいってくれたかな。
こわ〜い鬼猫は、もとい鬼嫁はここは来ないからね。ねこちゃん。